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保育士の処遇改善制度

「待機児童」という言葉が珍しくない今、日本は保育園だけでなく保育士の不足の危機に直面しています。このままではいけない!!と、国は「保育士処遇改善等加算」を新設しました。

保育士にかかわる処遇改善制度とは?

保育士離れの原因第一位の「給与面の不満」を改善し保育士の離職を防止するため、平成25年より「保育士処遇改善等加算」が新設されました。平成25年~29年までで行われた「保育士処遇改善等加算Ⅰ」、さらに平成29年より「保育士処遇改善等加算Ⅱ」が新設されました。この違いについてみていきましょう。

処遇改善等加算Ⅰ

平成25年より保育士の給与面の改善、その状況把握のためにつくられた制度です。所属するスタッフ全員の勤続年数の平均により、対象スタッフの給与面の改善を行うことを目的としています。

処遇改善内容

基本的に以下の(1)~(3)により構成されています。

  1. スタッフの平均勤続年数(※)により決定される2~12%の加算率
  2. 賃金改善計画・実績報告を行い、平均勤続年数が11年未満の場合は5%加算/11年以上の場合は6%加算
  3. 各スタッフの役職や職務に見合った勤務条件や給与設定、研修の計画・実施・機会確保・周知徹底を満たさない場合は(2)より2%減算

(※)の経験は以下の施設・事業所が該当し、現在勤務している施設だけでなく過去に勤務した年数も含みます。

対象者

1日6時間以上かつ20日以上勤務する非正規職員も含めたすべての職種が対象となります。保育士はもちろん、調理員さんや送迎員さんも条件を満たせば対象です。

処遇改善等加算Ⅱ

平成29年より「園長」や「主任保育士」といった役職に加え「副主任保育士」「専門リーダー」「職務分野別リーダー」を新たに新設しキャリアアップを目指しにくかった保育士業界の環境改善が行われました。

処遇改善内容

また、以下のような要件があります。

対象者

園より各職種の発令・職務命令があり、かつ以下の内容の満たした場合となります。

処遇改善制度の課題とは

現場で日々頑張る保育士を守るための制度ではありますが、「保育士の給与にすべて還元される」わけではないのが現実です。支給された手当の使い道は施設側の決定により給与に反映されたり施設維持費用に反映されたりとまちまち。さらに、手当が給与に反映しようとしても支給人数に制限があるというのも現実です。

国から保育園に処遇改善手当が支給され、給与とともに支給されることがほとんど。求人や給与支給の明細は給与とは別に表記してありますので、正しい記載となっているかよく確認することが必要です。

そして2022年から必須となると言われている研修の受講。制度の詳細を施設側がきちんと理解し、所属スタッフに詳細を説明しているか。また、正確に反映されているか…など様々な課題が山積しています。それでも今までよりは確実に給与面のアップは行われています。新しくできた制度は見直しを何度も行いながら精度をあげていきます。今後の制度の見直しに注目が集まるでしょう。

保育士のキャリアを構築するキャリアアップ研修

処遇改善の対象となるキャリアアップの分野別研修は以下の通りです。都道府県または都道府県知事の指定した機関が実施するものが対象となります。

  1. 乳児保育
  2. 幼児教育
  3. 障害児保育
  4. 食育・アレルギー
  5. 保健衛生・安全対策
  6. 保護者支援・子育て支援
  7. 保育実践
  8. マネジメント

今まで少なかった保育園の役職を増やすことで、経験年数が浅くても役職を目指すことができ、モチベーションを保ちながら少しずつステップアップできるような仕組みになっています。

また、一度取得した経験年数や分野別研修は日本全国どこの都道府県でも使用することができ、離職や復職をしてもそのまま使用することが可能です。キャリアアップ研修を受けておくことで今後の保育士としての幅が確実に広がります。

処遇改善制度の仕組みを理解してキャリアアップしよう

似ているようですが実は違う「処遇改善加算Ⅰ」と「処遇改善加算Ⅱ」。どちらも給与アップの制度であることには変わりありませんが、目指す先が異なっていることにお気づきになったかと思います。これらの制度の違いを理解して給与面やキャリアアップにつなげて理想の保育士像に近づいていきましょう。