保育士の勤務時間が長い

保育士の仕事と聞くと、勤務時間が長く残業が多いイメージを持たれている方が多いでしょう。実際のところ、保育士の仕事はサービス残業や所定の勤務時間より早く出勤するのが普通という暗黙の了解も存在しているのが現状です。

近年、保育士の労働時間や待遇面での改善が叫ばれていますが、その対応も保育園によってまちまち。実際、保育士はどのような勤務体制で働いているのでしょうか。ここでは、保育士の労働時間や勤務の実態を紹介しながら、保育士の勤務時間の改善についての対策などを紹介していきます。

保育士が抱える勤務時間の悩み

保育の現場は、深刻な人手不足、過酷な労働環境を理由に、年度の途中で辞職する職員が出てきてしまうのも珍しくありません。人手不足=保育士1人あたりの仕事量が増えるためやむを得ず残業している保育士は大勢います。

保育士は女性の職場であるため人間関係でギスギスするのを避けるため、「上司や先輩よりも早く帰るこことはできない」と思いこみ勤務時間が長くなるケースも少なくありません。保育士の仕事の悩みである残業・休憩時間についてみていきましょう。

残業時間が長い

保育士1人あたりが抱えている仕事量を考えると、8時間以内に全て完了するものでは到底ありません。その原因は、仕事の量はもちろん、仕事の“内容”も大きな原因です。例えば、子どもたちの保育時間にできないものの準備として「発表会の衣装作り」や「職員の会議」、「書類作成」などが考えられます。

複数担任のクラスであれば、ある程度の仕事を分散できますが、体調不良の子がいたり保護者対応をしないといけなかったりクラスの状況はその時その時で変化します。保育士は、子どもたちが帰った後の17時以降にようやく自分の仕事に取り掛かることができるのです。実際のところ、持ち帰りの仕事を含めると1カ月の残業時間は40~60時間ほどにもなると言われているのです。

サービス残業が多い

保育士の残業は、残業代の支払われないサービス残業が多く発生すると言われています。残業としてカウントされないサービス残業が想像の何倍も存在することから、保育士の労働条件は過酷と言われているのでしょう。大きな行事の前日など、職員全体で残って作業しなければならない場合は、園の中で1人だけ退勤するわけにもいかず、「全ての準備が完了するまでやる」が基本。よく言えば、チームワークですが、上司や先輩・後輩の仕事を手伝わなければいけない状況がサービス残業を生んでしまうのです。

休憩時間が短い

保育の現場では、「休憩時間を規定通り取れない」というのがほとんど。労働基準法により、労働時間が8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を取得すべきと定められています。

多くの保育園の場合、職員の休憩時間は子どものお昼寝時間に充てるとされていますが、なかなか寝付けない子どもがいたり、寝かしつけた後も連絡帳に記入したりなど事務作業を処理するため、のんびり休憩できることはあまりないというのが一般的のようです。そんな中で、公立の保育園など「休憩対応保育士」というパートの保育士がいる園であれば、比較的きちんと休憩時間を取れるようです。

保育士の勤務時間の実態

深刻な人手不足や処理しきれない業務量による勤務時間の増加により、フルタイムで勤務する保育士の残業は想像以上に長時間で、常態化しています。しかし、近年では保育士の短時間勤務など定められた時間帯のみ勤務する保育士の働き方も広がっています。ここでは、保育士の基本的な労働時間やシフト制についてみていきます。

保育士の労働時間

保育士の勤務時間は、基本的には8時間です。現代では、フルタイムで働く女性が増加している状況から、延長保育や早朝保育を実施する保育園が一般的。よって、保育園で子どもを預かる時間が昔より長時間となっているのが現状です。園児を受け入れ時間の長時間化に伴い、多くの保育園ではシフト制を採用しています。延長保育を含む7:00~19:00の間で早番・中番・遅番といったシフトに応じて、時間をずらして勤務します。

固定の場合

「9:00~17:00」や「10:00~18:00」など時間帯を決めて勤務するのが固定時間勤務。家事と仕事の両立のために、決まった時間に出退勤ができる固定時間勤務だと働きやすくなります。

朝早いのが苦手という場合は、昼から閉園までなど開始時間の遅いシフトでの勤務を希望する人も。決められた時間に働きたいという人は多く、近年では求人の条件に固定勤務を採用している保育園も多く存在します。

シフト制の場合

シフト制は、早番・中番・遅番というシフトで回していくのが基本。しかし、完全に3つのシフトで回るのではなく、24時間対応や、夜間保育を行っている園では5つや7つ、保育園によってそのシフトの数は異なります。

例えば、園児の登降園時間の慌ただしい時間帯である朝の3時間や夕方の3時間だけ出勤する保育士や、夜間の人手が薄い時間のみシフトに入るなどスポット的に出勤できる様々な勤務形態が存在します。

厚生労働省のデータで見る平均勤務時間

保育士の1カ月あたりの所定労働時間は169時間。仮に稼働日数を22日とすると1日あたり7時間40分程度。正社員の場合は、7時間30分から8時間が所定労働時間として設定されている場合がほとんど。厚生労働省の発表によると、保育士の残業時間は月4時間と発表されています。

しかし、この数字は1日に換算すると10分~15分の残業しか発生していないことになります。保育の現場で勤務されたことのある人であれば、「4時間なんてありえない!」と思う人が大半でしょう。

このデータは、実際に残業代が支払われた残業時間の実態という可能性が高いです。つまり、残業代の支払われないサービス残業がかなり多い職場であることが見て取れますね。しかし、公立の保育園であれば残業が少ないところもありますし、私立保育園であっても残業は全くないという園も存在するのも事実です。

保育士の勤務時間問題を解決する方法

保育士の長時間労働の問題を解決するためには、働き方の希望が叶う園を自分で選択することが一番でしょう。子どもが大好きで保育士を目指したのに、勤務時間や労働条件を理由に退職してしまうのは勿体ない!ここでは、無理せず保育士を続けていける方法を考えていきます。

シフト制に切り替える

保育士の働き方も、フルタイムのシフト制や短時間勤務、朝夕出勤など、ワークライフバランスに応じた多様な働き方を選択できるように変化しています。

さまざまな勤務形態の保育士を受け入れる園であれは、年度の途中で退職する保育士も減り自分の仕事量が増えてしまうことも避けられます。シフト制を希望するのであれば、自分はどの時間帯に勤務したいのか、家庭や私生活との両立を踏まえ考えていきましょう。

仕事内容の調整をする

残業の多い保育士は、自分でその仕事量を増やしている場合もあります。残業の量=子どもへの愛情ではありません。「行事の衣装に凝りすぎる」「時間がかかることをあえてやる」などをしていませんか?8時間以内で完了するように工夫することが大切です。保育士の残業を全くのゼロにすることは困難かもしれませんが、「減らす」努力はできるはず。週に〇時間残業したらこれ時間はやらない、〇曜日は絶対に定時で退勤するなど自分で設定することも効果的です。

転職をする

残業や勤務先の保育園に限界を感じ、現在の勤務先では希望の勤務時間では働けないなど、自分ではどうにもならない場合は、転職を視野にいれることをおすすめします。近年では、「保育園専門」の求人サイトや保育士求人コンサルタントなども存在します。

専門の求人サイトであれば、細かい条件で勤務希望を設定することも可能です。また、プロのコンサルタントに相談することで効率よく希望の職場を探すこともできます。