子育てとの両立

保育士の仕事を続けるのが難しい理由の一つが、育児との両立。子育てと仕事が両立できる保育の職場について取材しています。

復職前に保育士を辞めてしまうケースが多い

妊娠・出産が保育士の離職理由ナンバーワンというのは、厚生労働省による調査で判明しています。

一方、子育て・育児が理由で辞めてしまうというのは第9位。それほど多いとは言えないのかもしれませんが、せっかく産休・育休があけて仕事復帰したところで辞めてしまうのにはどんな原因が潜んでいるのでしょう。

ひとつはもちろん、「もっと子どもと一緒にいたくなる」という理由。保育士という仕事に関わらず、働くママなら抱える思いではありますが、保育士さんの場合は自分の子供は預けて、人の子どもの面倒をみることにジレンマを感じてしまうことも多いはず。

もうひとつの大きな理由は、「周囲の空気」でしょう。時短で帰るときや、子どもが熱を出して保育園に呼び出されたときに嫌味を言われる。また声に出さなくても、なんとなく嫌な空気になるなど、周囲の圧力に耐えかねて辞めてしまう人もいます。

前者であれば、まだ自分の心の問題ですが、後者は完全に「続けたいのに続けられない」ということになってしまいます。

参照元:東京都保育士実態調査報告書

育児と仕事を両立するための保育士の転職とは

面接の際に、「育休取得者の数と復帰率」を聞いておくと参考になるはず。産休や育休を取りやすい・その後の復職もしやすいと紹介会社の間でも評判のキッズパートナー(東京・神奈川・兵庫など)では、どのような取り組みをしているのでしょうか。

ケアパートナー白井代表より

白井代表

時短は最長12年取得できます

会社としては、産休を取ったからには戻ってきてほしいと思うのは当然です。もちろんご家庭の事情や、旦那さんの転勤などで続けられないという保育士さんもいると思いますが、そういった事情がない限りは、ぜひ皆さんに戻ってきていただきたい。

そのために必要なのは、会社からのサポートだけではなく、園長先生や先輩、同僚たちの力です。

会社では、産休や時短社員が出たら、すぐに人員を補充しますし、お子さんが中学校に入学するまでの時短勤務の制度、お子さんの病気で年5回までお休みを取れる制度など、いろんなバックアップ体制を用意してます。社員のリクエストで導入したものもあります。

しかし、会社がいくらサポートを用意したところで、園の空気が応援ムードにならないと、お仕事を続けていただくのは難しいと思います。その点キッズパートナーでは、どの園でも「出産後復帰したら、早退が多いのは当然」という、いい意味で「それが当たり前」だという空気ができています。

キッズパートナー小机園・若松篤美保育士
キッズパートナー
平沼橋園
篤美先生

篤美先生より一言

入社して1年ほどで妊娠したのですが、皆暖かく応援してくれて、嬉しかったです。

育休明けは時短勤務で働いていて、「もっと子どものそばにいたい」と思うかな?と心配していたんですが、子育てと仕事のバランスが取れていると感じます。

子どもが体調を崩してお迎えに行くときも、園全体でフォローしてくれるのでありがたいですね。

キッズパートナー綱島園・未都先生
キッズパートナー綱島園
未都先生

未都先生より一言

時短勤務中ですが、育休明け最初の数か月は精神的に辛かったですね。周囲がすごく協力的なのに、「申し訳ない」「自分が置いて行かれるんじゃないか」と勝手に自分で思い込んでました。もちろん子どもと離れるのも辛かったですし…。

でも、今は気持ちが落ち着きました。子どもも、私とふたりっきりよりも、保育園に行っていろんな人に愛されるのもいいんじゃないかなと思ってます。

まだ子どもが0歳なので、熱を出して保育園から呼び出しがあることも多いんですが、周囲が「すぐに行ってあげて!」と送り出してくれます。

「保育の現場」編集部
メッセージ

「保育の現場」編集部

育休明けの会社の空気の冷たさを実感するのは、どの業界でもあるあるです。とくに人手が足りていない会社では、男性よりも同じ女性の方が冷たくなるなんてエピソードもよく耳にしますね。

時短勤務中の保育士さんは皆、「園がサポートしてくれる」と語っていました。園長先生は、時代が違うこともあり、「3歳までは仕事をお休みしていた」という方が多かったのですが、今の時代は共働きだからと、応援モード一色。

時短ママにありがちな、誰も責めないのに自分で罪悪感を勝手に抱いてしまったり、やっぱり子どもといたいと思ったり…。キッズパートナーの保育士さんが乗り越えなくてはいけないのは、そんな「自分の気持ち」だけなんだなと、取材していて感じました。

キッズパートナーの
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保育士の育児休暇についての基礎知識

保育士の育児休暇は最長2年まで取れる

育児休暇の長さは、育児・介護休業法によって定められています。会社が独自に決めているものではないので、本来は労働者の権利として取得できるはずのもの。

原則として、育児休暇は子どもが1歳になるまで取れます。1歳になった時点で保育園などに入所できなかった場合は、2年まで延長することが可能になりました。ちなみに、父・母ひとりずつ、それぞれ育児休暇が取れるので、1歳になるまでの期間を父母で分け合って育児休暇にすることも可能です。

ただし、育児休暇の取得は雇用期間が1年未満、あるいは子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に雇用契約が満了する場合は取得できません。

育児休業給付金制度

育児休暇中は、お給料の額に応じて給付金を受け取ることができます。育児休暇開始から180日までは賃金日額の67%、180日以降は50%を給付金として受け取ることができます。 賃金満額というわけではありませんが、休暇中もある程度のお金がもらえるなら、休暇をとって育児に専念しやすくなります。